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イニシエーション・ラブ

小説

今更ながら本を読んだ。

イニシエーションとは通過儀礼という意味。

ネタバレになるので詳しくは書かないが、初めての恋愛は一生の愛だとか勘違いするけど実はそんなことはなくて、大人の恋愛をするための通過儀礼に過ぎない、という意味らしい。

 

俺に初めて彼女ができたのは社会人になりたての頃だった。彼女も初めての交際で処女だった。

社会人のリズムに慣れない中、彼女とのデートやセックスは唯一にして最大の楽しみで、次いつ会えるか、いつセックスできるかばかり考えていた。

少し遅い初恋愛だった分、夢中になっていた。会うたびセックスするたびに、お互いがどれくらい相手のことを愛してるか話していた。彼女を一生愛していくと誓っていた。

 

彼女から別れ話を切り出されたとき、お互いに寂しくて付き合ったようなものだからね、と彼女は言った。そんなことはない、真剣に愛してると俺は言った。彼女を失うことは死ぬよりも辛いと思っていた。

その時は本心からそう思ってた。今になって思うと、そう思い込んでただけだったと思う。

 

彼女と俺にとって、初めての恋愛はイニシエーション・ラブだった。大人になる通過儀礼のための恋愛だった。

今は彼女は結婚して名古屋にいて、子供もいると噂で聞いた。うちの子と同学年だ。幸せでいてほしい。